水墨画とは
【水墨画の歴史】
水墨画は、5世紀から6世紀頃の中国で発生したといわれています。 日本で水墨画というジャンルが確立したのは鎌倉時代。禅宗と一緒に輸入されたというのが定説です。 室町時代には、中国との交易が盛んになり中国の水墨画がかなり日本に紹介された影響で、日本でも専門画師が誕生しました。 当初は中国画をお手本にしていた雪舟は、後に日本独自の水墨画風を確立。後の日本画壇へ大きく影響を与えました 。 桃山時代には築城が多かったため、狩野派や長谷川派によって大作が次々と生まれます。 そして江戸時代の鎖国の日本で、水墨画は大きく発展します。それまで中国の影響を多く受けていた水墨画を日本の美意識のもとで昇華させ、 枠にとらわれない『日本の水墨画』を確立させました。 俵屋宗達、円山応挙、伊藤若冲、などが独自の画法で素晴らしい傑作を残しました。 現在、海外では「sumi-e」の名称が知られています。
【水墨画の特徴】
・「墨は五彩を兼ねる」
という言葉どおり、墨の濃淡や表現方法だけで森羅万象や心象風景を描く高度な芸術様式です。 対象物の本質を見極め、自分の感情を投影・同化しようとする表現方法において、 むしろ色彩を排除する事の方が東洋的な価値観や美意識に適っていたのかもしれません。 そこには、ありのままの「モノ」以上の「何か」を表現しようとする水墨芸術の極意があります。
・「余白の美」
日本の水墨画には紙の白さをそのまま残す、 という大きな特徴があります。 残した余白が、描かれているモチーフによってそこが空であったり海であったり「空気」を感じさせるものとなります。 さらに、余白とは単なる「描き残し」ではなく、モチーフの存在感を際立たせる為の白い宇宙であり、 白があってこその黒であるとも言えます。
・「構図の妙」
モチーフをどのように配置するのか、どのくらいの分量でどこに余白を残すのか、 いわゆる「構図」を考えるのが一番作家を悩ませるステップであるかもしれません。 大胆な構図には、「動」を一瞬にして「静」に変換した潔さがあり、例えば掛け軸ならば、 細長い軸のファインダーによって切り取られた風景の向こうに無限の広がりを感じることができます。
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